日本の不動産の評価は複雑すぎる? 自分でも簡単に査定ができるポイントとは?③

query_builder 2020/09/24
不動産
行政書士角田法務事務所

前回までは、売買時の評価算出のポイントについて触れましたが 今回は相続税の財産評価について解説します。 


まず、相続税における土地の財産評価ですが、こちらもやはり土地実勢価格とは異なります。  


算出方法は、市街化調整区域などの倍率地域による方法と市街化区域などの路線価区域による方法との2パターンあります。


  市街化調整区域などの倍率地域では、評価倍率表を参照し固定資産評価額(公示価格の7割)にその倍率表に従って補正したものが評価となり,

市街化区域であれば相続税路線価(公示価格の8割)に土地の形状などに応じて奥行価格補正など地形による補正をしたものが評価となります。


このため相続税の土地(宅地)評価は、補正の大小にもよりますが、地域の違いだけで、おおよそ公示価格(時価)の7割から8割程度になることがわかります。  


公示価格と実勢価格が等しい地域の宅地であれば、売却実勢価格(いくらで売れるか)より7割~8割程度の評価で算出されることが多いとうことになります。    



さて、これまでのことを まとめると  







①    日本の土地評価は、一物四価といわれ、その評価目的により複数の評価基準が存在する。  


②    その中でも時価の適正価格として位置づけられる公示価格が他の評価の大元になっていて、固定資産税評価が公示価格の7割、相続税路線価が8割相当の評価となっている。  


③    実勢価格(いくらで売れるか)は、地価公示価格を目安とするが、わからない場合は 宅地であれば固定資産評価額に÷0.7をすると公示価格相当額が求められ、これが実勢価格のおおよその基準となる。  


④    相続財産における土地(宅地)の評価は、倍率地域と路線価地域で異なり公示価格の7割から8割程度が基準となる。


となります。



  では、最後に、このルールを念頭に  


市街化区域内にある固定資産税評価額800万円の宅地について 実勢価格と相続税評価額がそれぞれいくら程度になるか計算してみましょう。


  実勢価格    800万÷0.7    = 1360万  ※1  


 相続税評価額  800万÷0.7×0.8 = 1088万  ※2  


  ※1正確な査定額を求めるにはさらに周辺取引価格などを考慮する必要があります。

 ※2正確には、この価格からさらに奥行価格補正など地形の補正が必要です。    


いかかでしょうか?  おおよその計算ができましたでしょうか?   この評価の関係がしっかり理解できれば、ご自身である程度の評価の目安が解るようになります。


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