相続相談 Q&Aブログ 「未成年の子も相続人になれるのか?」
本ブログでは、相続に関して主に依頼者からの相談事例に回答し解決した内容をもとにQ&A形式で再編集しまとめています。
このブログ内容をみれば、本来なら相続の悩みについてお金を払って相談しなければ得られない情報を無料で得ることができるかもしれません。
それでは今回の相続相談事例Q&Aは 「未成年の子も相続人になれるのか」についてです。
相談者
Q 最近、病気で夫が亡くなり、妻である自分と小学生の娘が遺されました。
娘が、財産についての話合いをまともに理解できるとは思えません。
未成年の子であっても相続人になれるのでしょうか?
相続相談員
A 未成年であっても権利能力は出生により取得すことから相続の権利は有しています。しかし、未成年者は重要な財産上の行為を行ううえでの通常の判断能力が必ずしも備わっているとは限らないと考えられます。
そのため、未成年者が法律行為を行うには、その保護の観点から法定代理人の同意を必要とされます。遺産分割協議も財産上の法律行為ですから、当然その同意が必要になります。また、法定代理人には当然未成年者の法律行為の代理権があります。
相続相談者
Q 同意や代理の権利があるということは、遺産分割協議は、親が子供の代理人として親自身と協議するということになりますが、結局自分一人で決められるということでしょうか?
相続相談員
A その原則に従えば、親が好き勝手に決められるという状態が生じ、場合によっては、子供の利益を害する結果となりかねません。この状況を利益相反と言います。 利益相反行為は法律で禁じられているため、この場合は、家庭裁判所に特別代理人を選任する申立てを行うことなり、選任された特別代理人と遺産分割協議をすることになります。
相続相談者
Q 特別代理人は、申立ては誰ができるのですか?
相続相談員
A 特別代理人は、未成年者の親権者や利害関係人が申立書に特別代理人として希望する人を記載したうえで提出する方法で行うことができます。まずは信頼できるご親族の方にご相談するのが一般的です。
相続相談者
Q 申立てを行えば必ず選任されるのですか?
相続相談員
A いいえ、必ず選任されるわけではありません。申立てすると裁判者がその者の適格性を審査します。未成年との関係や利害関係などを考慮したうえで未成年者の利益保護を適切に行えるかを判断され、問題ないと認められた後に正式に選任されます。
相続相談者
Q 特別大きな財産もなく、争いも起きないような場合でも必ず特別代理人を申立てしなければならないのでしょうか?
相続相談員
A 必ず選任しなければなりません。未成年者がいるにもかかわらず特別代理人の選任をしないまま行われた遺産分割協議は、無権代理行為となり、その未成年者が、成年になった後に追認(不完全な法律行為を有効なものとする意思表示)しない限り無効となります。
相続相談者
Q 特別代理人の申立てに必要になるものや費用、そして選任されるまでの期間を教えて下さい。
相続相談員
A 申立てに必要なものとしては、申立者や推薦者の戸籍謄本などの身分関係を証明するもの、遺産分割協議の案、財産目録などを基本として、個別事案に応じて追加書類が求められます。費用は、印紙代800円の他、報酬として基本的には3~5万円程度、期間は、状況により1か月~3か月程かかります。
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